「プロ」といっても大したことない

例えば、英語教育の世界でTOEFL導入の話が出ると、

「英語教育の素人が何を言うか」

みたいなことを言う人がいます。

 

しかし、こういう話が出てくるのは、現在の「プロ」が大した結果を出せていないのが一因のはずです。

だから、私は「素人のくせに」的な考えには共感できません。

 

また、そういう言い方には、傲慢さ、柔軟性のなさ、本当の自信のなさを感じてしまいます。

 



「プロ」の世界には、本当に素人には及びもつかない能力・技術・技能が必要な世界と、そうでない世界があります。

前者は、才能や能力の世界です。典型例は、プロ野球や将棋の世界など。


一方、後者は、能力・才能というよりも役割分担の世界です。大部分の人は(もちろん私も含めて)、この世界で「プロ」として生きているんだと思います。

この後者の世界では、プロと素人の間に、どうにもならない差はありません。

私は英語の講師ですが、そういう仕事ができる能力・スキルがある人は、ビジネスの世界にいくらでもいます。

 

よく予備校講師などで「超人気」「カリスマ」「神」とか言われる(or 自称している)人がいますが、本当にそこまで大したことがあるのは、その中のごく一部だけでしょう。

 

それなりの企業には、説明やプレゼンテーションが驚くほど上手い人がいます。

もし、そういう人たちが教育界に入って授業をすれば、今の「カリスマ講師」が「ただの人」になり得る。


あるいは、そういう人が退職してボランティアで無償の教育動画でも作ったら・・・・現在の「プロ」による多くの授業は不要、ということになりかねません。

 

 


要するに、「プロ」の肩書きがあるからと言って、エラそうに「素人のくせに」とか言っているようではダメだと思うのです。

むしろ、素人ならではの「ゼロベース思考」「新しい発想」を学ぶくらいの謙虚さがないと、あっという間に素人に追い抜かれてしまう。

そういう時代になってきていると思います。