「単に勉強だけでなく、子供の人間性を育むことに力を入れる」みたいな学習塾があります。
人や塾それぞれの考え方がありますし、それでいいのだと思います。
ただ、当塾では、子供への人格的な教育はしません。
「勉強だけでなく人格が大事」というのは、当然のことです。
しかし、人間性とか人格って、あまり当てにならないところもあります。
多くの人に「いい人」と言われている人が、相手によっては「嫌な奴」にもなったりしますし。
また、平時にやけに立派なことを言う人に限って、何かの時には「転ぶ」というパターンもある(笑)。
そもそも、こんなことを書いている私自身も、そんな立派な人格者ではありません。
ですので、自分のことを棚に上げて、子供に説教臭い話をするのはやめておこうと思っています。
付け加えると、よその他人がとやかく言うことで、人間性や人格が育まれるのかも疑問です。
はっきり言って、性格や人格なんて、そんな簡単に変わらないです。
自分を変えることでさえ相当に難しいのに、ちょっと立派な話をしたくらいで、他人を変えられるはずがありません。
教育する側がその気になっていても、実際のところ、人格教育なんて表面的なものでしかない場合が大半でしょう。
もちろん、私にも、子供たちに「こういう人間になってほしい(こういう人間にはなってほしくない)」という考えはあります。
しかし、私がすべきなのは、そんなものを押し付けることではなく、勉強する内容をできるだけ分かりやすく教えることです。
大人として必要に応じて最低限のことは言いますが、お子さんへの人格教育は各ご家庭にお任せします。
学校でも塾でも予備校でも、生きる力とか人間力とか言っている先生ほど、どこかカビ臭い感じで、人間的な魅力に欠ける。「人間力って何やねん、で、お前は人間力あるんか」と攻めたくなる。逆に、子供の学力を上げる職人に徹することを広言する先生の方が、強く明朗な「人間力」を感じる。
— 笠見未央(猫ギター) (@nekoguitar) 2017年6月9日