学信塾を始めた理由 ― 私の半生

2012年までは、家庭教師的に生徒さんの自宅で授業をしていました。

 

しかし、2013年からは、私の自宅近所のマンションの一室を借りて、そこで授業を行います。つまり、より本格的に学習塾としてやっていくことになります。

 

私にとっては一つの区切りであり、新しいスタートです。

 

当然のことながら、私がこういう塾を始めたのは、私自身が勉強してきて自分なりにいろいろ感じたことがあったからです。

 

勉強を軸にして私の半生をざっと書くと、次のようになります。

 

 

 

まず、私の家庭について言えば、特に教育熱心ということはなかったです。

 

私が覚えている限り、親に「勉強しろ」と言われたことはありません。

 

親がいつも言っていたのは「家の手伝いをしろ(しないなら出て行け)」です。

 

また「別に大学なんて行かなくていい。そのほうが金がかからなくていい」とも、よく言ってました。

 

私としても、そういうことに別に不満はなかったです。

 

「ま、そりゃそうだろうな」という感じ。 

 

親は、私に衣食住を与えてくれて、結局のところ、高校・大学にも行かせてくれました。

 

だから、本当に感謝しています。

 

 

 

私が通った中学・高校は、進学校とはほど遠い、田舎の公立校です。

 

中学時代は、学生時代の中では比較的よく勉強しました。レベルは高くありませんが、学校の中では成績上位でした。

 

1つ覚えているのは、学校で実力テストの順位を公開しなかった時のことです。私は、せっかく頑張って勉強してテストを受けたのだから、自分の順位くらいは知りたいと思いました。

 

しかし、それを先生に聞くと「社会に出たら、試験の点数なんて役に立たない」とか言って、猛烈に怒り出しました。

 

そのことが印象に残っています。

 

今にしてして思えば、ゆとり教育の走りだったのかもしれません。

 

 

 

高校時代は思ったように勉強できませんでした。

 

私は言い訳がましい人間ではないつもりですが、本当に色々あったのです。

 

(私の当時の同級生なら、そのことに異論はないでしょう)
 

それでも成績はそこそこでしたが、やたら「勉強はできるけど嫌な奴」みたいなレッテルを押し付けたがる人もいました。

 

正直、授業は密度が薄く退屈なものが多かったです。ずっと「自分で何とかするしかないな」と思ってました。

 

ロクに勉強もできなかったのですが、大学受験では4戦3勝。

 

正直なところ、学力や実力というよりも、勝負度胸と勘で何とかクリアした、という感じです。

 

実際、その結果を「まぐれ」と言う人もいました。私が"まとも"に受験勉強などできる状況でなかったことを知っていたからでしょう。

 

私としては、結果には何の不満もなかったのですが、そのプロセスには悔いを残しました。

 


 

大学時代は、はっきり言ってロクに勉強しなかったです。

 

当時は、現在ほど日本の状況が厳しくなかったというのもあるでしょうが、要するに私が甘かったんだと思います。

 

就職活動では公務員試験のペーパーテストも受けて合格しましたが、私は民間企業の方を選びました。

 

「高校時代は、自分の力を思い切り出せなかった。民間企業は、倒産がある世界だ。きっと、変な遠慮もせずに思い切り力を出せるはずだ」

 

そういう考えを持って、私は会社員になりました。

 

 

 

会社員になって、私はIT(情報システム)系の業務に従事することに。それまでコンピュータなんて触ったこともなかったので、最初はかなり戸惑いました。

 

そういう状態で何より困ったのは、仕事を中々教えてもらえないことです。「(いろいろな都合で)自分には覚えさせたくないんだな」とすぐ分かりました。

 

ですので、休日にはよく本屋に行って、少しでも仕事を覚えるのに役立つ本を探し回りました。また、仕事もないのに休日に出社して、先輩の机の中の資料をあさったり・・・

 

そうやって仕事を覚える一方で、私は英語や資格取得などの勉強を始めました。会社の外でも通用する汎用的な知識・スキルを習得しておく必要を感じたからです。

 

そして会社を退職して、自宅を拠点に「主夫」をしながら、この学信塾や英語教材作成の仕事をすることに。

 

そこでも、いろいろ苦労はありました。家事・育児と仕事の両立のハードさなどで、白髪が一気に増えた…

 

しかし、子供もある程度大きくなり、最初に書いた通り、なんとか新しいスタートを切るところまでこぎつけました。

 

以上が、ざっとした私の半生です。

 

 

 

私がこれまで勉強してきて、ずっと感じてきたのは、何とも言えない肩身の狭さです。

 

世の中には勉強に否定的な言説もあって、勉強しているだけで、何かと「とやかく」言われたりもするのです。

 

そういう経験から、勉強をするのが何か悪いことのように感じた時もあります。

 

また、学校でも会社でも、あまり効率的な教育を受けられず、多くのことを独学で勉強してきました。

 

確かに独学は強力な勉強法ですが、やっぱり孤独ですし、あまり効率が良くない面もあります。

 

そういう私自身の経験などから、

 

「頑張って勉強しようとする人が、私と同じような経験をしないですむようにしたい」

 

つまり、

 

「やる気のある人が、おかしな遠慮をせずに、思う存分に能力を発揮することが許される。余計なことに神経を使わされずに、楽しみながらガンガン効率的に勉強していける。そういう場を作りたい」

 

と思ったのです。

 

そう考えて作ったのが、この学信塾です。

 

この学信塾という名前は(大層なものではありませんが)、

 

「勉強(ぶこと)には、人生を切り開く力がある」

「勉強を続けている限り、チャンスはある」

 

と私自身がじていることから来ています。

 

 

 

私の半生は、少なくとも子供が生まれるまでは、勉強や仕事だけをしてきた感じです。

 

そういうこともあって、私には世間的な雑学、教養に欠けている部分があります。

手先は不器用で、運動神経もそれほどよくありません。

そして、世渡り上手なタイプではない。

 

本当のところ、私はこんな具合の人間ですが、勉強に関しては「プロ」といって差し支えないと思います。

 

ですので、何か思うところがあって頑張って勉強しようという人がいれば、きっと力になることができるはずです。少なくとも、私はそういう人の味方です。